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アクセル考(ディーゼルエンジンとガソリンエンジンのつづき)


<< 作成日時 : 2007/01/07 08:43 >>

ディーゼルエンジン車とガソリンエンジン車は、燃焼方式の違いから、アクセルの構造に大きな違いがあります。これを認識してアクセルワークに気をつけてみると、結構な違いがあることを感じます。

ディーゼルエンジンには基本的に「スロットルバルブ」はありません。エンジン出力は、アクセルペダルの踏み込み量に応じた”燃料噴射量”によって加減されます。排気量に応じて吸い込まれた空気が圧縮されて高温高圧になったところへアクセルの踏み込み量に応じた燃料を噴出して自己着火させるディーゼルエンジンは、吸い込んだ空気量で最大に燃焼できる燃料量以下で燃焼する『リーンバーン』のリーンの加減によってエンジン出力が制御されている言えます。このため、排気ガス中には燃焼に使われなかった酸素が残っているわけです。

一方のガソリンエンジンのエンジン出力は「スロットルバルブ」によって加減されます。ガソリンエンジンは吸い込んだ空気量を「エアーフローメーター」で計測し、これに応じた燃料を噴射して理想空燃比となるようガソリンを噴射して混ぜ合わせます。基本的には吸い込んだ空気中の酸素は燃料との燃焼に使われます。このため、排気ガス中に酸素は殆ど残っていません。もしも大量に酸素が排気ガス中に残ってたらば、理想空燃比にガソリンが噴射されなかったことを意味するわけです。尤もスパークプラグの電気火花で熾した種火を混合気中のガソリンへ連鎖反応させて爆発させるガソリンエンジンでは、理想空燃比前後で空気と燃料が混ざっていないときちんと爆発させることができません。理想空燃比にガソリンを噴射することはガソリンエンジンではとても重要なことです。
理想空燃比にガソリンが噴射されているかを確認するためのセンサーが「O2センサ」です。O2センサは排気ガス中の酸素濃度を計測し、酸素がたくさん残っていたら「噴射量が理想空燃比に対して少ない」とエンジン制御コンピュータ(ECU)は判断して燃料噴射割合を増やします。(これを”リッチにする”と言います)逆に排気ガス中の酸素濃度がゼロの場合は燃料の噴射量が多すぎると判断してECUは燃料の噴射割合を減らします。(これを”リーンにする”と言います)ガソリンエンジンが定常回転している際でも、”リーン/リッチ”は行ったり来たりします。ただ、リーン/リッチの行き来の頻度はエンジンの負荷と回転数が一定の場合は、だんだんとゆっくりになってきます。

エンジンの出力制御は、当たり前のことながら、燃料の供給量で行われるわけで、これは運転席のアクセルペダルによってクルマに指示していると言えます。ただ、アクセルペダルの踏み込み量に対してエンジンに供給される燃料量の制御は、ディーゼルエンジンでは「燃料噴射量」を直接制御しているのに対して、ガソリンエンジンでは「吸入空気量」を介して燃料噴射量を制御する間接制御となっているのです。

ガソリンエンジンの場合、「吸入空気量」を制御しているのは”スロットルバルブ”というバタフライ弁です。この弁は、ディーゼルエンジン車の燃料噴射量の制御と比較したら、そんなに精密な流量制御が出来る代物ではありません。まさに”感覚的”となります。
ディーゼルエンジンの場合、アクセルの踏み込み量に比例して燃料噴射量を正確に制御できますこれ対して、ガソリンエンジンはバタフライ弁の開き加減で流入空気量を制御し、流入空気量に応じて”正確に”燃料を噴射する構造であるため、バタフライ弁の適当な加減で燃料噴射量が決まるのでアクセルの踏み込み量に対してエンジンの出力はそれほど正確には制御できません。正確に制御できないということは、オペレータであるドライバの指示に対して、「鈍い」ということになります。
”そんなことないよ、自分のクルマはアクセルに対して機敏に反応するよ”とおっしゃる方も居られるでしょう。アクセルを踏み込んだときにクルマが気持ちよく加速すると、だいたいの方は「レスポンスがよい」と感じるはずです。でも、よく考えてみてください。アクセルペダルはオンとオフの2値しかないスイッチとは違います。踏み込み加減に応じた出力制御が出来ねばなりません。これがキチンと出来るか?と言う観点で鈍いか鋭いかというと、ガソリンエンジンのスロットルは鈍いというわけです。
ただ、近年は電子制御スロットルを採用しているクルマが増えています。サファリ2号のTB48DEもこれを採用しています。
電子制御スロットルは、アクセルペダルの踏み込み量をセンサで検知し、コンピュータで演算してステッピングモーターでスロットルバルブの開度を制御するというモノです。アクセルペダルをどのぐらいの深さで踏んでいるかだけでなく、踏み込み速度を検出することも出来ます。ドライバーがガバッとペダルを踏み込んだら「急加速を求めている」と判断してスロットルバルブを少々多めに開くことが可能です。また、ECUは車速を知っているので、発進時のようにエンジン出力を多く必要とするときにスロットルを多めに開くことだってコンピュータのプログラムによって設定ができます。
アクセルペダルとスロットルバルブをワイヤーで結合した機械式では、アクセルの踏み込み量とスロットルバルブの開度は1:1の関係にあります。しかし、電子制御スロットルの場合は、コンピュータのプログラム次第です。

機械制御が当たり前だった昔のクルマはクルマの性質・性格というのを感じることができました。排ガス規制対応などで電子制御が導入され始めた頃も、基本的には機械制御と同様に1:1の制御がベースとなっていたように思います。しかし、電子制御が普及して約四半世紀(25年ぐらい)が経ち、最近の乗用車などでは「クルマの味付け」として積極的に制御内容をいじっている印象があります。典型的なのは電子制御の固まりであるトヨタのプリウスでしょう。先日、乗り回してみましたが、いったい何が行われているのかがよく分かりませんでした。

近年、世界的な石油価格高騰もあって燃費への関心が高まっています。燃費向上は、CO2排出軽減に結びつくこともあって、技術開発が日進月歩で進められています。ここ数年の間に「ハイブリッド」というエンブレムを着けたクルマがかなり増えたように思います。減速時に捨てられていたエネルギーを回収して加速時に利用する「ハイブリッド」は、優れた方式だと思います。ただ、現在のハイブリッドはほとんどがガソリンエンジンベースです。トラックなどにディーゼルハイブリッド車も出始めたようですが、普及はまだまだのようです。

機械としてディーゼルエンジンのほうが精密な制御が可能な構造であり、ハイブリッドについてもガソリンエンジンベースよりもディーゼルエンジンベースのほうが有利です。
日本ではディーゼルエンジンに対する政策の失敗によって、ディーゼル小型車はほぼ絶滅させられてしまいました。しかし、技術的に優れているディーゼルエンジンは欧州では認められて普及していいます。恐らく、日本でも近いうちにディーゼルエンジンが主流となるでしょう。

ぜひ、日産には4~5千ccぐらいの「主力ディーゼルエンジン」を早期に実現いただき、競合他社よりも先に魅力的な製品をリリースしていただきたいと、切に願っております。
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