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カルビーに試練、改革者 松本会長が突然の退任

カルビーに試練、改革者 松本会長が突然の退任
2018/3/28 0:17

 カルビーは27日、松本晃会長兼最高経営責任者(CEO、70)が6月下旬の株主総会後に退任する人事を発表した。ポテトチップスという圧倒的な看板商品を持ちながらも伸びきれない非上場メーカーを、高収益の上場企業に育てた立役者だ。ただ足元では業績が踊り場を迎え、組織には改革疲れの気配も漂う。次の一手が見えないまま、就任9年でのカリスマ退任。カルビーは成長を続けられるか。

 どこか不可解な感覚も漂う退任会見だった。27日、帝国ホテルに姿を見せた松本氏は「前職のジョンソン・エンド・ジョンソン(の日本法人)でも社長を9年務めた。カルビーでも一区切りと判断した」。辞める理由らしい理由はこれだけだ。相談役や顧問にもならず、次の体制も「決まっていない」という。

 やや唐突な引き際は一定の実績をあげたプロ経営者が退任する際、たびたび指摘される。松本氏は「チャレンジングなことがあったらやってみたいと思う」とも言った。プロ経営者としてステージを変えたい意向があることをうかがわせた。

 松本氏が創業家に請われてカルビーのトップに就いたのは2009年。「あしき文化をぶっこわす」とぬるま湯体質だった社風を改めた。まず取り組んだのがコスト管理だ。スナック菓子で設備投資を抑える一方、工場の稼働率を高めて価格を抑え、湖池屋など競合からシェアを奪った。

 少子化や健康ブームという逆風のなか、1991年に商品化していたシリアル、現在の「フルグラ」に目を付けた。健康的な朝食を掲げ、年間売上高が約300億円と新たな収益源に成長した。就任9年で連結売上高は7割増、営業利益率も6.5%から前期11.4%に引き上げた。

 この間、カルビーは文字通り松本色に染まっていった。欧米流のコーポレートガバナンス(企業統治)を持ち込み創業家は経営陣から離れてもらった。取締役のうち社内は松本会長と伊藤秀二社長(61)の2人だけで、5人は社外が占める。

 働き方改革や女性の登用にも熱心だった。オフィスにフリーアドレス制を取り入れ、同じ能力なら女性を優先して登用するという方針を「力ずくで進めた」という。

 実績が大きいだけに10年の区切りを待たない退任には唐突感と失望感が広がる。27日午後1時に退任を発表すると東京株式市場でカルビー株は急落。一時、前日比5.6%(205円)安の3465円まで売られた。個人投資家などがひとまず売りで反応したようだ。

 実際、経営に以前の勢いは無く、国内ではフルグラの成長が鈍化している。8期連続の営業増益は18年3月期に途絶える見通し。こうした現状を覆った松本氏という支えが外れ、株価の動きは市場の厳しい見方を示す。

 2割の出資を受ける米飲料大手ペプシコとの関係も不安材料になる。09年に結んだ契約の特別条項が19年7月に終了しペプシコは出資比率を変えられるようになる。この間、共同事業は進まず松本氏も「今は良い関係。この後は想像がつかない」と率直だった。松本氏は5月下旬にも訪米しペプシコの意向を探る。

 ガバナンスや女性活用といった分かりやすい改革の多くに区切りを付けたカルビー。松本氏は今後の経営に口を挟まないとしながらも「伊藤社長がリードしてくれたら一番良い」と語った。後事を託された次期経営陣はどんな旗を立てるのかという難しい課題を背負う。(森国司、根本舞)
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